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2024/9/25

田村ゆにさんと代表の清水がオンライン対談をしました!

「都会を出て田舎で0円生活はじめました」を出版中で弊社の竹の歯ブラシをご使用くださっている田村ゆにさんと、代表の清水、竹下で「エコな暮らしとビジネスの未来」について対談を行いました!

都会と田舎のグラデーション

〜田村ゆにさんと清水直子さんが語るエコな暮らしとビジネスの未来〜

 

清水:田村様はじめまして!ファイン株式会社代表取締役の清水 直子と申します。初めてのWEB対談で緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします!

東京産まれ東京育ちではあるのですが、あまり都会らしい生活をしておらず、都会から離れた暮らしに憧れがあり、今回ぜひ田村様とお話しをさせて頂きたく、このような場を設けさせて頂きました。

 

私自身は、姪っ子がアトピーだったことからエコに興味をもちはじめ、「エコな歯ブラシを作りたい」と思い、ファイン株式会社での【エコ部門】を立ち上げました。

その後、両親から会社を引継ぎ今年で15年になります。夫も会社の取締役をしていることもあり、仕事中心でワークライフバランスが乱れてしまっています。

田村さんの書籍[都会を出て田舎で0円生活はじめました ]を拝読させて頂いたのですが、会社経営者としても「頑張らないと生きていけない現代の暮らし」「全力疾走しなくてはいけない暮らし」に疑問を抱えている毎日です。

今日は田村様から、ワークライフバランスについて、廃材の活用法について、自然と共に暮らしていらっしゃる日常や旦那様が地域の方々に実施している御用聞きのお仕事などについてお話しを伺いたいです。

世間でのエコやサステナブルに対する意識の変化

田村ゆにさん
北海道出身のアーティストで、青森県南部町で夫の余一さんと息子さんと自給自足の生活を営んでいます。自然と調和したライフスタイルを選び、家庭菜園や手作りの工夫を日々の生活に取り入れ、持続可能な暮らしを実践。都会を離れた生活の豊かさや知恵をSNSやメディアで発信し、多くの人に影響を与えています。

田村さん:はじめまして!「都会を出て田舎で0円生活はじめました」を先日出版しました【電気 ガス 水道0円ファミリー】の田村ゆにと申します!今日はよろしくお願いいたします!

 

清水:さっそくですが色々と教えてください!まず、世の中が脱プラスチックなどエコな流れに変わってきているな、と感じることって具体的に身近なところでなにかありますか?

 

 

田村さん:この暮らしをはじめたのが2017年なのですが、その当時は他人から「ゆにちゃんがまた変わったことをしている」といった感じで見られていました。

今までも人とは違うことばかりをしてきたので変人扱いされていましたし(笑)友人や知人と話していても、私が合わせる側で私が話すことに興味を持ってくれる人はほぼいませんでした。

いまの生活をはじめた当初から、仲間や友達がいなくても自立できるくらしを目指してきたこともあり、たぶん周りからも、山の中で仙人のように暮らすライフスタイルだと捉えられていて「すごい!」けれど、「憧れられてはいない」暮らしだったと思います。

 

ただここ数年、環境問題がとりあげられる事が増え、キャンプブームもあり、だんだん私たちのような暮らし方と普通の暮らし方の間、いわゆる【グラデーション】が見え始めてきた。徐々に私から出す話題にも興味を持ってくれる人が出てきたんです。

「エコな暮らし」というワードに関心がある人が増え、実際に取り組めることとして、使い捨てのものを減らしたり、洗剤を石鹸に変えたりなど、毎日の暮らしの中で環境に優しい選択をする人が増えてきた。「そうやって切り替えていきたい。切り替えないと未来がない。」と考える人も増えてきたように思います。

私自身は「自分」が心地よく楽しく生きていくために、自然の中で暮らし始めましたが、結果的に「環境」に負担をかけないライフスタイルにもなっていたんだと思います。

 

便利なものに頼るときとのバランスに悩むこともありましたが、最近は皆さんとの暮らしからかけ離れすぎてしまうことのないよう、皆さんからの共感を得られるくらいの形で、孤立せず横のつながりも保ったまま、自然と共に暮らすことが出来ているように感じます。

田舎と都会のお金の価値

清水:確かに田村さんの書籍でも「縄文時代のような生活に戻るわけではなく、前に進むんだ」「【今っぽく】自然と共に暮らしていくんだ」という姿勢が感じられたのがとても印象的でした。

書籍の最後の「コミュニティを作りたい」という意見にも共感いたしました。グラデーションだったりがっつり変わりたい人だったり色々だけれど、今の生活に違和感を感じている人たちが集まってコミュニティを作るのは夢があると思います。

社員の皆にも少しずつ生活の中でエコを意識して欲しいと思い、社内では使い捨てではない陶器の食器や鉄のフライパンを用意したり、コンポストを使用したりなど工夫をしています。今の暮らしぶりを少しずつ見直していける社会にしたいと思っています。

販売している商品についても、エコやSDGsサステナブルを実現させていきたいけれど、環境に良ければ売れるわけでもないという会社経営者としての悩みもあって、、田村さんが生活をする中で、経済的に成り立たせながら環境に優しい暮らしをするポイントってありますか?

ファイン株式会社未来へ向けての取り組み

ファイン株式会社の環境への取り組みは、再生可能エネルギーの活用、カーシェアリングの導入、石油系プラスチックの削減などを通じて、CO2排出抑制を目指しています。また、竹材を使用したエコ製品の開発や、地域資源の有効活用にも力を入れています。同社は持続可能な未来に向けて、地球環境保護と循環型社会の実現を目指し、SDGsの達成に積極的に取り組んでいます。

田村さん:例えば農家さんのように食物を売ったりすると、気候によって収穫量などの波が生まれてしまい、結果的に経済的にも影響してくると思うのですが、我が家では情報や知識を売ることに重点をおいているので、それらをシェアしても何も我が家からは減らないし、波がないんです。

理想としては、田村家の暮らしをコピーペーストし、同じような暮らしをするお家がたくさん出てくれば、と思っています。

そのために私たちが学んできたことをSNSやメディアで発信しているという状況です。この形が1番自分たちも疲弊せずに、皆さんに対して経験や情報を還元できるやり方かな、と考えています。

先ほどもお伝えしたとおり、環境問題やキャンプブームなどにより、タイムリーに自分たちの暮らしの情報を知りたいと思ってくれる人も増えてきているので、、、

 

旦那に関しては、私と違ってずっと青森の地元に住んでいるので、「地域に貢献したい」という気持ちも強く、地域の高齢化などの問題解決にも積極的に取り組んでいます。

例えばご年配の方からお話しを聞いたりして、ヘルパーさんにはルールの縛り上頼みにくいようなちょっとしたゴミ捨てなどのお手伝いをワンコインでさせてもらっています。

そういう「暮らしのお困りごとを解決する御用聞き」のお手伝いは、現金収入として得られる金額は多くはないんですけど、副収入があるんです。例えば薪を無料で回収しているんですけど、回収した薪は資源として薪ストーブに使用させてもらっています。【0円だけど価値があるもの】を頂きながら生活をしているんです。

 

他にも小屋の解体のお仕事のついでにいらないものを頂いたり。同時に空き家になる場所の情報を教えてもらうことで、移住したい人に移住先の情報を提供し仲介ができたり。近々私たちの友人も移住してきてくれます。やっぱり近くに信頼できる友人がいれば安心ですし、そういうお金には変えられない価値のあるものを頂いている。

お金で買わなくてはいけない最低限のものは買うけれど、それ以外は物々交換や情報交換でまかなえているように感じます。そうすると、そこまで収入がなくても生活をしていけるんですよね。

田舎と都会、コミュニケーションの取り方は違う?

清水:なるほど、そんな環境に移住したいですねやっぱり(笑)私は8年前に結婚して、夫が15歳下で41歳なんですよ、今自分が56歳で彼に会社を継いだとして、私は無職になる可能性もあるんです。

その後どうやって過ごしていくのか、仕事はするのか、もしくは夫の実家である長野に帰ったときに、自分がどんな暮らしをしていくのかの想像がつかないんです。そんなことをいつも頭の片隅でかんがえているんです。その中で田村さんが暮らしぶりを共有してくださることで、「こんな暮らし」もあるのか、とイメージができるようになったんです。

とはいえ移住と考えると足がないのが怖いんですよね、バス停までも近いわけではないし、車は運転できるんですがそれにも燃料が必要ですしそのあたりは少し不安ですね。あとはご近所付き合いもちょっと心配だったり、、、

 

田村さん:私が今住んでいる場所は、50年くらい前に移住してきた方がたくさん住んでいるところで、いわゆる「ド田舎」ではないんですよね。暮らしの中で少しずつ知り合いの方が増えてきたという感じです。元々ずっと住んでいる集落の方とはそこまで関わりがなくて、そのお陰かトラブルもないですよ。

もちろん色々な方がいますが、田舎の集落にずっと住んでいる方の一部の方は面と向かって話し合う習慣がないみたいで、何か問題があっても直接言ったり言われたりがないんです。

言われることがあっても挨拶なしで突然本題から話されてしまったり、、東京の人の方がやっぱりたくさんの人の中で生きているのでコミュニケーション能力が高いのかなと個人的には感じます。ただそれが「この地域のコミュニケーションの取り方なんだ」と思えばそこまで気になりません。

田舎は隣同士の距離が離れているので、自分が関わろうと思わなければ関わらずに生きていける。だから「合わないかな」と思ったら無理に関わろうとせず、自分が心地良いと思った方とだけ関われば良いと思います!無理に元々住んでいる方達の仲に入ろうとしないのが1番だと思いますよ。

田舎での暮らしの現状を語ってくれる田村ゆにさん。

子育てをする上で意識していること

竹下:コミュニケーションといえば、お子さんのたいちくんは、他のお友達とご自分が少し違う暮らし方をしているのは、お友達の関わりの中で気付いていらっしゃるんですか?


田村さん:そうですね!気付いていると思います。私としてもスーパーやデパートで普通のトイレの使い方を教えたりとかそういう工夫はしています。ただ来年から小学生になるのでまた本人の気持ちも変わってくるかもしれませんね。

今の生活は別に子どもにもずっとそうしてほしいとは思っていなくて、一緒に住んでいる期間はやっぱり合わせてもらうところもあるかと思うのですが家から出た後、彼がどんな選択をしていくのかは自由だと思っています。

あとは子どもにはのびのびと育ってほしいので、私としては添加物が含まれている食べ物を食べてほしくない、という希望があり家でのご飯は気を付けていますが、出先で彼が選ぶ食べ物などには口出しをしないようにしていて、そういう形でストレスをためないようにも気を付けています。


竹下:たいちくん来年からは小学生ですもんね、周りの大人の方々に可愛がられて育っていらっしゃるな、といつもほっこりしています。


田村さん:確かに今までも近所の同年代の子と関わることはありましたが、比較すると大人の方と関わることが多かったので、実際に小学校にあがったときにどうなっていくのかは楽しみですね!

竹の歯ブラシについて

清水:最後に弊社の竹の歯ブラシについて、田村さんが使用してくださっているとのことで、とても嬉しく、ぜひそちらのお話しもお聞かせいただければと思っております!

 

田村さん:私は息子が3歳になる2019年頃から普段使用しているストローを通して、プラスチックに対して関心をもちはじめました。プラスチックの問題点として生分解性がないこと、使い捨てのものが多いことが特に気になりました。

ストローは必需品ではないものの世の中では使用頻度が高いものです。そこで「ストローをプラスチック以外のもので手作りしてみよう!」と思い立ちました。ストローの語源である「藁」・「ヨシ」などで試作をしてみましたが、最終的に耐久性があり工芸品にも使用されてきた「竹」に落ち着きました。

 

「竹」は近年、暮らしから遠ざかってしまっていて、竹林や森の管理をする若い人も減っています。若い方が帰省してきてもなかなかそこまで気にかける方もいないので、、そのため旦那の御用聞きのお仕事としても、竹林の伐採や草刈りなどが頻繁に依頼されます。

竹は繁殖力が強くどんどん広がっていってしまい、管理が必要であることを「ストローを作ろう」というところから知りました。そして「竹はどんどん使うべき!」という考えに落ち着きました。

田村さん自作の竹ストロー
MEGURU 竹の歯ブラシ(ひまし樹脂毛)

ストローの他にも身近なプラスチックの使用頻度を減らすことを考えるようになった時、交換回数も多く使い捨てである歯ブラシについても、できれば早く自然に優しいものに変えたいと思い、歯ブラシ探しをはじめました。

私の中で、国産であること・柄もブラシ部分も自然に優しいものをポイントとして探していましたが、なかなか出会えず、、そんな中なにかのきっかけで柄の部分もブラシ部分も、自分が納得のいく素材でつくられている、ファイン様の竹の歯ブラシを見つけました!見つけた時は「これぞ理想の歯ブラシだ!」と感動したのを覚えています。

実際の使用感もとても良く、知れば知るほど「魅力的な会社さんだな」と感じ竹の歯ブラシを使い続けています!なので今回お声がけいただきとても嬉しいです!

田村さんと竹の歯ブラシ

清水:ありがとうございます!本当は私も青森までお伺いし直接お話しがしたかったくらいです。竹の歯ブラシはお値段は安くはないのですが、なぜ使い続けてくださっているのでしょうか?メディアやSNSで田村さんが竹の歯ブラシを使用してくださっているのを見る度にとても嬉しく思っています!

というのも、本当はすべてのプラスチック歯ブラシを竹の歯ブラシ、体に優しい素材、地球に優しい素材のものにしたいけれど、実際それでは会社運営ができないという現実があり、罪悪感や不甲斐なさを感じていました。

生分解性歯ブラシは25年くらい販売しているのですが、生分解性歯ブラシのメリットを我々がお客様にお伝えしきれていないと感じていました。

そんな中、自然と共に暮らしている田村さんが竹の歯ブラシを使用してくださっていることにとても励まされました。書籍も読み進めていく中で、「私たちの方向性は間違っていないんだ」という自信ももらえました。

 

田村さん:確かに昔はエコや脱プラスチックについて考える人はとても少なかったですが、近年興味を持つ人が増えてきていると感じています!InstagramなどのSNSを見ていても、自給自足まで踏み込む方は少数ですが、「身近なところからできるエコ活動をしたい」と考える方はすごくいらっしゃるので、竹の歯ブラシのようなエコな商品の需要も増えて行くと思いますよ!

 

清水:ありがとうございます!ゆにさんは、歯磨き粉も手作りされているようですが、何を使用されているかなど教えていただけますか?

 

田村さん:ナスのヘタやたけのすみを粉にしたものと、研磨剤の役割として重曹、そこにココナッツオイルを入れてペースト状にしています。スペアミントなどを入れてスッキリ感を追加したりもして楽しんでいます!

 

清水:ココナッツオイルは外国ですと、うがいにも使用されているそうですね!とても理にかなった歯磨き粉だと思います!
そろそろお時間になってしまったようです。本日はいろいろと勉強になりました。お時間をいただき本当にありがとうございました!

 

田村さん:こちらこそありがとうございました!

田村ゆにさんご愛用「MEGURU」竹の歯ブラシなど、エコな商品はこちら↓

田村ゆにさんの書籍

都会を出て田舎で0円生活はじめました (サンクチュアリ出版)